煌めく星を君にあげる
「不思議だな。二人からだと音楽なしでここまで踊れるなんて」

「そうね、足を踏んじゃうこともないわ」

どちらからともなく笑ってしまう。すると、アレクがリリーを再び抱き上げた。顔が近くなり、互いの吐息がかかる。リリーは自然とアレクの唇に自身の唇を重ねていた。

二人きりの時にキスを始めると、アレクが満足するまでキスは続いてしまう。離れたくても離れられない。まるで薬物のようにリリーを虜にしてしまう。

湖の上で、唇を重ねる音が響く。下唇を軽く噛まれ、舌で舐められ、互いの舌を絡め合っていく。互いに呼吸が乱れて余裕がなくなっていくところに、リリーは顔を赤くして幸せを感じていた。

何分、キスを続けたのかわからない。互いの息が限界になったところでようやく唇が離れた。激しく求め合ったため、名残惜しそうに繋がっていた糸が切れる。

「リリー、キス上手くなった?」

「そりゃあ、アレクに会うたびに激しくされていたら……」

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