煌めく星を君にあげる
「まあ、結婚したらたっぷりイチャイチャできるわけだし、子どももバンバン作れるからな」

「アレク、恥ずかしいこと言わないで!」

リリーは再びアレクの腕の中に囚われ、無防備な首や頭にキスを落とされる。アレクが触れた部分が熱く、リリーの心までも熱くしていった。

その時、夜空を見上げたリリーの瞳にあるものが見えた。キラリと輝いたそれは一瞬で見えなくなってしまう。流れ星だ。

「アレク、流れ星が見えるわ」

「えっ、本当!?願い事しなきゃ!」

他のお姫様はどんな願い事をするのだろうか。宝石もドレスも、何もかも手に入ってしまうのだから願うことなど何もないのかもしれない。だが、リリーにはどうしても願いたいことがある。

(アレクと、そしていつか生まれてくる子どもたちと、いつまでも幸せに暮らせますように……)

リリーはそう心の中で願い事を呟き、真剣な表情をしているアレクの頬にそっとキスをした。






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