✾~クールな天才脳外科医と甘~い極上の結婚を~✾
「座れよ」
顎で指示する彼に反発心が湧き上がり目をそらすと、すぐに私の右手首を掴み強制的にテラスを一望出来るよう設置されたソファーに座らされた。
私は、すぐ右隣に座る彼から目をそらし無言でいると、目の前のガラステーブルに夕暮れの美しい海と空が印刷された1枚の紙に気付き目を疑った。
その見覚えあるお洒落な婚姻届には、驚くことに朝陽君と私の筆跡で諸々記入されていた。
私は、目を見開き前のめり状態でその紙を凝視した。
間違いなく七夕の日に病室で記入後、紫音に渡した物だった。
「なっ、なぜ朝陽が記入してるの? 紫音は?」
私は、また取り乱しながら隣の朝陽君に早口で説明を求めた。
すると彼は、相変わらず冷静な面持ちでスマホをガラステーブルに置き、スピーカーにして電話を掛け始めた。
その通話は、待ち構えていたかのように即繋がった。
そして数秒沈黙の後、珍しく緊張気味の少しハスキーな声を聞いた私は、思わず悲鳴のように紫音の名を呼んでいた。
《……ごめん、莉子。……やっぱ結婚無理》
私は、その言葉に耳を疑い目を見開き、息を止めたままスマホを凝視し続けた。
顎で指示する彼に反発心が湧き上がり目をそらすと、すぐに私の右手首を掴み強制的にテラスを一望出来るよう設置されたソファーに座らされた。
私は、すぐ右隣に座る彼から目をそらし無言でいると、目の前のガラステーブルに夕暮れの美しい海と空が印刷された1枚の紙に気付き目を疑った。
その見覚えあるお洒落な婚姻届には、驚くことに朝陽君と私の筆跡で諸々記入されていた。
私は、目を見開き前のめり状態でその紙を凝視した。
間違いなく七夕の日に病室で記入後、紫音に渡した物だった。
「なっ、なぜ朝陽が記入してるの? 紫音は?」
私は、また取り乱しながら隣の朝陽君に早口で説明を求めた。
すると彼は、相変わらず冷静な面持ちでスマホをガラステーブルに置き、スピーカーにして電話を掛け始めた。
その通話は、待ち構えていたかのように即繋がった。
そして数秒沈黙の後、珍しく緊張気味の少しハスキーな声を聞いた私は、思わず悲鳴のように紫音の名を呼んでいた。
《……ごめん、莉子。……やっぱ結婚無理》
私は、その言葉に耳を疑い目を見開き、息を止めたままスマホを凝視し続けた。