✾~クールな天才脳外科医と甘~い極上の結婚を~✾
「もう逃がさない。紫音には、素直なくせに」


「そ、そっちこそ何よ? 急に女扱いしないで」


私は、憎まれ口を叩きながらもいつも渇望していた腕の中でときめきながら深い歓びを感じていた。

もうずっと"朝陽君の腕の中で女として存在したい" そう強く願い孤独な夜を過ごして来た。

だから繊細な外見からは想像出来ない強引に私を包むガッシリした腕と胸を本気で拒否なんて無理。


「……してたらとっくに抱いてる。でも紫音の気持ち知ってて……。この前短冊の前で思い切り平手打ちされた時、俺はお前だから行くと言ったんだ。……お前と同じだから」


……私と同じ?


「もうずっとお前以外抱きたくない」


私は、怖いほど真剣な顔での言葉に"人生一!" そう断言出来るほど驚きマジマジと彼を見上げた。


「……嘘! そんなの信じるわけないじゃない。『紫音の傍にいろ、紫音となら幸せになれる』って言ったのは誰?」


でも簡単に信じられるわけもなく、こんな時だけ彼に素直に感情をぶつけていた。


「あん時は、命掛けでお前を救った紫音には敵わねーって思ったし数々の短冊……。莉子が、幸せになれるならそれが一番とも思った」
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