✾~クールな天才脳外科医と甘~い極上の結婚を~✾
事情聴取
意気消沈して名古屋駅、通称・名駅に戻って来ると、仕事を終えた自慢の親友・菜緒からLINEが入り同じ寮の彼女の部屋に寄る約束をした。

五分後、最寄り駅前のコンビニで酒類を買い込み寮に到着すると、ちょうど二階の菜緒の部屋に明かりが灯りふと唇が綻んだ。

この寮は、病院が不動産業者から借り上げたマンションで設備も充実しており、当院の独身職員の多くが入居している。

病院からも最寄り駅からも徒歩七分ほどで立地条件も良く格安なのが嬉しい。

少し軽くなった心と足取りでエレベーターに乗り込み二階を降りてすぐの部屋の前に立つと、待ち構えていたようにドアが開き菜緒の美しい笑顔に迎えられた。


「お帰り~! 入って入って」


「ただ今。お邪魔します」


菜緒は、朝陽君の手術チームTEAM・ASAHIのメンバーで、完璧主義の朝陽君が絶大な信頼を寄せるオペ看である。

オペ看とは、手術を正確にスムーズに進行する為の重要な業務で、執刀医の一挙手一投足に目を向け完璧な器械出しを行う菜緒は、患者のフォローも完璧で医師、同僚からも信頼されるスーパー看護師なの。

そんな彼女は、朝陽君と唯一タメ口で話せる看護師で、秘かに朝陽君の彼女疑惑あり。

勿論違うけれど、黒髪ロングのスラリ長身でクールビューティーの菜緒は、朝陽君と並ぶとまるでスーパーモデルのカップルのよう。
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