✾~クールな天才脳外科医と甘~い極上の結婚を~✾
……朝陽君にも『鈍感』と溜息付かれたな。

ほんと自分事になると全然ダメ……。


「菜緒みたいにデキる女なら自信持てるけど、私じゃ自意識過剰。今も彼のペアリングの相手は菜緒? って聞かれるよ」


「ああ、女避けの嘘リングね。真実話してもらったのは莉子だけだし自信持て。どんだけ女に塩対応か聞いてるくせに」


……聞いてる。

心理カウンセラーの私は、食堂や飲み会で女医や看護師に恋愛相談される事も多く、院内ダントツ人気ナンバー1の朝陽君の話もしょっちゅう聞かされる。

内容は、『全くつけ入る隙がない。どうしたらいい?』

時には、自惚れたりもしたけど、私が紫音の好きな人だから親近感抱いてくれてるだけと溜息繰り返した。

正直好きな人が、相談対象なのは一番キツい。

だからこそ痛いほどその切なさがわかるし、女より脳に恋する変人で天才だから一般心理の枠に収まり切らず、大した事言えない分話だけは丁寧に聞くようにしていた。

大抵の女子は、聞いてもらえるだけでスッキリするし。


「で、返事は?」


「……素直に一緒にいたいって言うつもり。……初めて傍にいられるだけでいいって思ったの。ただすぐに結婚は……」
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