✾~クールな天才脳外科医と甘~い極上の結婚を~✾
『……お見事。……一つも自分の願い事ないな、全部お前の事ばかり。……紫音らしいな、こんなにも素直に想いさらけ出せるなんて』


朝陽君は、パンダ目を綺麗に直した私をニヤリ皮肉るが、すぐに優しく唇を緩めて微笑む表情になぜか切なすぎる悲しみが見え隠れしているようで、プチ睨みした私の胸も切なさで溢れた。

その理由を聞きたいけれど、紫音の短冊を食い入るように見続ける横顔はきっと何も答えてくれない気がした。


『絶対に自身の願い書いてもらうから』


『……書けないだろ、紫音の心からの願い。……お前に罪悪感抱かせるって』


罪悪感? どういう意味?


『相変わらず鈍い女。……結婚。あいつが、心底願うのはお前との結婚だろ』


朝陽君は、意味がわからず眉をひそめる私に、少し呆れ眼で淡々と話した。

私は、思わぬ返事に驚き固まり、目も口も開いたまま無言で彼を見続けた。

彼は、そんな私を堪らなく切ない表情で真っ直ぐ見下ろしてきた。


『この先もずっと紫音の傍にいてやってくれ。あいつとならきっと幸せになれるはず。……一番好きな奴より一番好きでいてくれる奴と結婚した方がきっと幸せになれる』
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