最期の日、ふたりきりの世界で

歩いていた25分ほどのところに理生がいる病院があった。

302 白野 理生

さっき見たニュースと同じくらい、冷たくて、無情な、私みたいな文字。

横に開く扉を最小限の音しか立てないように開く。

「叶ちゃん......!」

「こ、こんにちは、理那さん。ずっと来なくてごめんなさい。」

中にいたのは理生のお姉さんの理那(りな)さんだった。
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