最期の日、ふたりきりの世界で
知らなかったこと= 忘れてたこと

嘘だ......、叶が死んだなんて、絶対に嘘だ。


「姉ちゃん、叶、死んだの......?」


「理生......、」


俺の名前をつぶやくと、姉ちゃんは苦しそうに顔を歪めて、目に涙をためながら頷いた。

「叶に、もう会えないの?」

「理生、聞いて。叶ちゃんから伝言があるの。」


姉ちゃんは叶が病院に来てくれたときのことと

叶が刺されたときのことを教えてくれた。

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