最期の日、ふたりきりの世界で
「きっと、喜んでるよ。」
唯が空を見上げながらつぶやく。
「わたしさ、夢に叶さんが出てきて、理生を幸せにしてくれてありがとう、もうすぐそっちに行くからって、言われたんだよね。すごく、優しい笑みだったなぁ。」
「叶が、夢に出てきたの?」
「うん、碧鳥(あおとり)高の制服で、まっ黒な髪を後ろで一つに結んでた。なんか、直感で叶さんだ!ってなったの。」
間違いなく叶だ。
ホッとした。喜んでくれていて本当に良かった。