最期の日、ふたりきりの世界で
柔軟剤
玄関のドアを開けて、久しぶりに外に出る
空気の匂いと、色々な人の柔軟性の匂い。
ーー、理生は、そんなの感じないって、言っていたっけ。
「そんなの感じないよーー!叶の嗅覚すごい!」
「私は普通だよ、強いて言うならお母さんがアロマセラピストやってるくらいじゃない?」
「それって関係あるの?」
「うーん、わかんない。」
いつかした理生との会話を思い出す。