夜を照らす月影のように#2
「……」
物の怪は、主人公が王子様と愛を誓い合った浜辺にいた。
その物の怪は、巨大なワニの姿をしている。物の怪の赤い目が、怪しく光った。
「……わ、私も戦います!」
銃を物の怪に向けたエリカさんは、そう言って刀を握る僕を見つめる。
「……分かりました。ただ、危ないのでリオンから離れないでください」
そう言って、僕は物の怪に向かって走り始めた。
……多分、この物の怪は防御力が高い。だけど、どこかに弱点があるはずだ。
物の怪に攻撃をしながら、僕は色々と考える。
「……ん?」
エリカさんが放った攻撃魔法が物の怪に当たり、物の怪は怯んだ。
僕やリオンの攻撃には、ビクともしないのにな……もしかして、攻撃魔法なら……。
「エリカさん、リオン!物の怪に攻撃魔法を放ってみて!」
「わ、分かりました……!」
「……分かった」
リオンとエリカさんは、それぞれ攻撃魔法を放つ。リオンとエリカさんの攻撃魔法を避け切れないのか、物の怪は攻撃魔法を食らった。
「……やっぱり……この物の怪……物理攻撃は効かない代わりに、魔法攻撃には弱いのか……エリカさん!僕が足止めをするので、物の怪に向かって攻撃魔法を放ち続けてください!」