夜を照らす月影のように#2
そう言ってから、僕はリオンを見つめる。リオンと目が合って、リオンは頷いた。

そして、リオンは弓に矢を番える。僕は、物の怪に目を移すと刀を構えた。



何とか物の怪を倒し終えた僕らは、海色の魔法使いの終わりの文を呪文に元の世界へと帰ってきた。

「……ここは?」

僕の隣にはエリカさんがいて、エリカさんは辺りを見渡している。

「ここは、僕とリオンが住んでいる家です」

僕がそう言った時、部屋の扉が開いて父さんと母さんが姿を現した。

「え?どうして、父さんと母さんがここに……?」

僕が首を傾げると、父さんはリオンの方を向く。何だか嫌な予感。

「…………リオン?」

「……は、はい。何でしょう……?」

リオンは、父さんと母さんから目を逸らした。顔、青ざめているけど大丈夫かな……。

「お前、頼んだこと1つも終わってないよ?今まで、どこに行っていた?」

「えっと……」

「それに、今日俺たちが家に帰ることをノワールに伝えてなかったみたいだな……何か、言うことは?」

父さんは、反論を許さない声でそう言う。

「……す、すみませんでした!!」

リオンは、ひぇ、と小さく呟いた後土下座をした。

「……またか……」
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