水鏡
 これは願いを叶えられるチャンスだ!
 私は水面に顔を覗かせた。そこには冴えない顔と癖っ毛をしている私の姿が写っている。
 私は大きく息を吸うと、はっきり水面に声を掛けた。

「私は誰?」

 水面は揺れる事なく、鏡のように醜い私を写している。

「私は水原美華。私は美人で性格も明るく、頭も良い。誰からも愛される愛嬌を持っている子よ」

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