水鏡
 もちろん、現実の私は全て逆だ。ブサイクで性格も悪く、頭も悪い。誰からも侮蔑される、そんな子だ。
 私は願いを言い、ガラスの小瓶に湖の水を汲み取った。
 ……こんなことで願いが叶うのだろうか? もし、叶わなかったら一時間かけて湖を行き来した時間を返して欲しい。
 しっかりと湖の水がこぼれないように小瓶に蓋をして、ハンドタオルに包んで鞄の中に仕舞う。
 鞄を担いで帰ろうとした。

「ふふっ。やっと来たのね」

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