【完】ふたごのイケメン兄弟は、過保護にわたしを溺愛中!
「お前ん家はいかついSPが何人もついてなかったっけ?」


「やだもう、さすがに寮にまでSPはついて来ないってば~。だからもし、何か困ったことがあったら助けてよね? 私、この学校のことまだよくわかってないし」


すると、由良ちゃんの上目遣いのお願いを聞いた楓くんは、ちょっとめんどくさそうな顔をしながらも「わかったよ」と頷いたので、その意外な反応にまた驚いてしまった。


「ふふ、ありがと。楓」


由良ちゃんはそう言って嬉しそうに笑うと、楓くんにピタッと身を寄せる。


その様子を見て、なんとなくまた胸の奥がモヤモヤしてしまった私。


楓くんは、普段他の女子にベタベタされると嫌がるのに、由良ちゃんのことは嫌がったりしないんだ。


幼なじみ、なんだもんね。


やっぱり由良ちゃんは、他の女の子とは違って、特別なのかな……。


*


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