【完】ふたごのイケメン兄弟は、過保護にわたしを溺愛中!
図星をつかれて、思わず顔がかぁっと熱くなった。


「楓が由良と仲がいいから、ヤキモチ焼いてそう言っちゃったってことでしょ」


「う……うん」


私が小さな声で頷くと、クスッと笑う眞白くん。


「やっぱりね。変だと思ったんだ。だって、由良が転校して来てからなんか乙葉元気ないし、由良の前では遠慮したみたいに楓と話さないしさ」


そう言われて、やっぱり眞白くんには全部気づかれていたんだなと思う。


ほんとに人のことをよく見てるなぁ。


「やっぱり乙葉にとって、楓は特別なんだね」


眞白くんはそう呟いたかと思うと、少し寂しそうな顔で笑う。


だけど私はその言葉であらためて、自分の気持ちを確信したような気がした。


特別……その通りだ。


いつからだろう。自分でも気が付かないうちに、楓くんの存在がどんどん大きくなっていて。


いつのまにか、楓くんでいっぱいになってた。


由良ちゃんにヤキモチを焼いてしまったのも、あんなことを言ってしまったのも全部、私が楓くんのことを好きだから――。



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