【完】ふたごのイケメン兄弟は、過保護にわたしを溺愛中!
「……はぁ、はぁ」


中はシンとしていて誰もいない。


物音を立てないように、壁に張り付いて息を殺す私。


すると、その時体育倉庫の入り口のほうから大島くんの声が聞こえて。


「おーい、乙葉ちゃーん! どこいったー?」


どうやら彼は、私のことを見失ったみたいだったのでホッとした。


よ、よかった……。なんとか逃げ切れたみたい。


しばらくここに隠れていればきっと、大丈夫だよね?


そのまま大島くんの気配がなくなるまで、体育倉庫の中にじっと留まること約10分。


そろそろ大島くんも、あきらめて帰ったかな?


外を覗いて確認してみようと思い、そろっとドアのほうまで歩いていく。


するとその時、いきなり誰かがガタンと倉庫のドアを閉めたので、中が急に真っ暗になった。



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