【完】ふたごのイケメン兄弟は、過保護にわたしを溺愛中!
そんなふうに言われたら、いてもたってもいられなかった。


電話を切った瞬間、隣にいた由良に声をかける。


「由良、ごめん」


「えっ?」


「俺、やっぱ用事ができたから、帰るわ」


すると由良は、ギョッとしたように目を丸くして。


「ちょ、ちょっと待ってよっ。用事って、どこ行くの!?」


「乙葉がいなくなったらしい。だから、探しに行かねぇと」


俺がそう答えると、由良の表情が一気に険しくなった。


すかさず俺の腕をギュッと掴み、引き止めてくる由良。


「そ、そんなの、眞白が探せばいいんじゃないの? どうして楓が行く必要があるのよっ」


だけど俺は、その手をそっと掴んで引き離すと。


「あいつのことは、俺が守ってやらなきゃいけないから」


そう告げて、そのまま由良を置いて学校へと走り出した。




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