【完】ふたごのイケメン兄弟は、過保護にわたしを溺愛中!
真っ暗な中に明かりがさしたのと同時に、息を切らした様子の楓くんが、こちらへと駆け寄ってきた。


「楓くん……!」


私もとっさに彼の元へと駆け寄る。


すると、楓くんはすかさず私の体をギュッと抱きしめたかと思うと。


「よかった、無事で」


すごくホッとしたようにそう言ってくれたので、嬉しくて涙があふれそうになった。


「……っ、ありがとう。楓くん」


思わず自分もギュッと彼に抱きつくと、楓くんはさらに抱きしめる腕に力を込める。


彼の温もりに包まれたら、なんだかすごく安心して。


だけど、よく見たら彼は汗だくで、苦しそうに息を切らしていて。その様子から、私のことを必死で探してくれたんだなというのがわかって、あらためて胸がジーンとしてしまった。



< 328 / 350 >

この作品をシェア

pagetop