【完】ふたごのイケメン兄弟は、過保護にわたしを溺愛中!
「じゃあ戻ろっか」


「うん」


二人並んで社会科準備室をあとにする。


すると、すぐ隣に広い音楽室があるのが見えて、眞白くんはそれに気づくとなぜか立ち止まって、中を覗き始めた。


「あ、グランドピアノがある」


言われて自分も中を覗いてみると、たしかに音楽室の奥に、立派なグランドピアノが一台置かれている。


「ちょっと寄ってもいい?」


眞白くんはそう言うと、ちょっとワクワクしたような顔つきで、中へと入っていった。


そして、いきなりピアノの前の椅子に腰かけたかと思うと、鍵盤に手を置いて、スラスラとピアノを弾き始めて。


その音色のあまりの美しさに、ビックリしてしまった私。


ウソッ。すごい! 眞白くんってピアノが弾けるんだ。


しかも、めちゃくちゃ上手……! まさか、こんな特技まであったなんて。


思わずうっとりして、彼の演奏に聴き入ってしまう。


なんだかとっても癒されるし、ずっと聞いていたくなるかも……。



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