【完】ふたごのイケメン兄弟は、過保護にわたしを溺愛中!
どこからか、女の子たちの甲高い声がして。


ハッとして振り向いたらそこには、派手な上級生3人組が目をキラキラと輝かせながら立っていた。


「ゲッ」


楓くんは彼女たちを見るなり眉をひそめると、すかさず私の手をギュッと握ってくる。


そして。


「逃げるぞ」


「えっ!?」


いきなり私の手を引いて走り出したものだから、私は内心あわあわしながらも彼についていった。


ど、どうしようっ。なんで私まで一緒に?


「やだー、楓くん、待ってよ~」


追いかけてくる女の子たちの声を無視して、そのまま空き教室へと逃げ込んだ楓くん。


そして、ドアを閉め、壁にもたれるようにしてその場に座り込む。


「はぁ……。なんとか逃げきれた」



< 92 / 350 >

この作品をシェア

pagetop