【完】ふたごのイケメン兄弟は、過保護にわたしを溺愛中!
ホッとしたようにそう呟く彼の横に、私もちょこんと腰を下ろす。


「今のってもしかして、ファンクラブの人たち?」


さりげなく尋ねたら、楓くんはふぅっとため息を吐きながら頷いた。


「そう。捕まるとすげーしつこいんだよ、いつも。写真撮らせろとか言って」


「そ、そうなんだ……。大変だね」


それにしてもすごいなぁ。楓くんたち、同級生に限らず、上級生からもあんなふうに人気があるんだ。


でも、追いかけ回されるのも何かと大変だよね。まるで芸能人みたい。


するとそこで、楓くんはふと私の顔をじっと見たかと思うと。


「それよりお前、この前女子に呼び出されたってほんと?」


突然そんなふうに聞かれたので、ドキッとしてしまった。


あれ? この前呼び出されたこと、楓くんには黙っていたつもりなのに、どうして知ってるんだろう?



< 93 / 350 >

この作品をシェア

pagetop