その海は、どこまでも碧かった。

「海…」



なんて声を掛けていいか

わからなくてごめん



黙って海の背中を撫でた



「碧くん…

1番て、何かな…

恋って、何かな…」



「海、彼氏となんかあったの?」



「もぉ、彼氏じゃなくなった

碧くん
私、恋して、なかったの、かな?」



もしかして

別れたのかな?って

迎えに行った時、海を見て思った



だから

海の手を繋いだ



「きっと、してたよ

してなかったら
こんなに泣いてないよ」



「碧くん、怒んない、の?
オレに、聞くな!って…」



「うん
怒んないよ

きっとオレも好きな子にフラれたら
泣くと思うから…

その時は
海が慰めてよ」



海に彼氏ができた時も

寂しかったけど



たぶんオレは

海にフラれたら

もっと辛くなる



泣くぐらいじゃ

済まないかもしれない



久しぶりに

海を抱きしめた



送られてきた写真は

あんなに仲良さそうだったのに…



修学旅行でフラれるとか

最悪じゃん



辛かったね





オレは待ってたけどね

白い恋人限定版と

いつもオレの隣で笑ってる海を



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