その海は、どこまでも碧かった。

「きっと彼も今ごろ泣いてんじゃない?
海のこと、好きだったでしょ」



「最後、笑ってた…」



「それはさ
きっと嫌な思い出にしたくなかったんじゃん
海とのことも、修学旅行も…
彼の優しさだよ」



「うん…宙は、優しいよ

私には、優しすぎるくらい」



「海には、もったいなかったかもね」



「うん…
ケンカも、しなかったのに…」



「それは、彼が大人だったからだろ」



「碧くんは
大人なのに、ケンカするよ」



「するねー
ケンカするほど仲がいいって知ってる?」



「私と、宙は
仲良く、なかったの、かな?」



「それは、わかんないけど…

どんなフラれ方したの?」



「私の1番になるから、待ってて…って…」



「へー…
1番ね…」



海の1番て?



「私、何が、ダメだった、かな?
私、そんなに、魅力なかった、かな?」



告白されたことを

オレに相談してきた海



オレが付き合ってみたら?って言ったから

海は付き合ったのかな?





無理してた?



「ダメじゃないよ
初めてだったから
付き合い方とかわかんなかったんだろ」



オレも責任感じる

ごめんね、海



泣いてる海の頭を撫でた



< 103 / 142 >

この作品をシェア

pagetop