その海は、どこまでも碧かった。
「きっと彼も今ごろ泣いてんじゃない?
海のこと、好きだったでしょ」
「最後、笑ってた…」
「それはさ
きっと嫌な思い出にしたくなかったんじゃん
海とのことも、修学旅行も…
彼の優しさだよ」
「うん…宙は、優しいよ
…
私には、優しすぎるくらい」
「海には、もったいなかったかもね」
「うん…
ケンカも、しなかったのに…」
「それは、彼が大人だったからだろ」
「碧くんは
大人なのに、ケンカするよ」
「するねー
ケンカするほど仲がいいって知ってる?」
「私と、宙は
仲良く、なかったの、かな?」
「それは、わかんないけど…
…
どんなフラれ方したの?」
「私の1番になるから、待ってて…って…」
「へー…
1番ね…」
海の1番て?
「私、何が、ダメだった、かな?
私、そんなに、魅力なかった、かな?」
告白されたことを
オレに相談してきた海
オレが付き合ってみたら?って言ったから
海は付き合ったのかな?
海
無理してた?
「ダメじゃないよ
初めてだったから
付き合い方とかわかんなかったんだろ」
オレも責任感じる
ごめんね、海
泣いてる海の頭を撫でた