その海は、どこまでも碧かった。

ピピピピ…ピピピピ…ピピピピ…

ピピピピ…ピピピピ…ピピピピ…



え…なに…

寝返りを打ったら

まだ海が隣にいた



海の携帯から聞こえる



アラーム?



さっき寝たばっかなのに

もぉ朝?



なに?

まだ暗いけど…

何時だよ…?



「海〜、なんか鳴ってる
オマエ、目覚ましかけた?」



眠くて目が開かない



ピピピピ…ピピピピ…



うるせー



「んー…あ…私…」



「なに?…まだ朝じゃな…」



「碧くん、誕生日おめでとう!
20歳、おめでとう!
碧くん、20歳だ!大人〜」





テンション高めなのに

目が開いてない



「え…そのためのアラームだったの?」



「うん!
20歳になった碧くんを1番に見たかった」



「なんも、変わんねーよ」



「碧くん…碧くん…おめでと…」



スー…スー…スー…



寝た



力尽きた海を抱きしめた

オレの抱き枕



「碧くん…碧くん…」



「海、ありがと
また寝ていいよ
オヤスミ…」



海は微笑みながらオレの身体に馴染んだ



スー…スー…スー…





かわいい



ーー



海の額にキスした



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