その海は、どこまでも碧かった。

ただいま



私は

ここに帰って来たかったのかもしれない



碧くんに包まれて思った



優しくて落ち着く

いつも私を見守ってくれてる

いつも私を心配してくれてる

いつも私は碧くんに守られてたんだ



私は碧くんがいないとダメみたい

どぉしたらいいかわからないの



離れてても

ずっと碧くんのこと考えてた



宙ごめんね

宙も気付いてたね

宙が気付かせてくれた



「海、帰ろ…」



「うん…」



「家まで我慢できる?」



「…ん?何が?」



「泣きたいんだろ、本当は…」



碧くんにそう言われて

堪えてたものが溢れた



「待って!
あー、オレが泣かせたみたいじゃん

10秒で泣き止んで…
10.9.8.7.6.5.4.3.2.1.5.4.3.2.1………

続きは家でお願いします」



「泣いてない…泣いてないよ…」



「あー…オレのシャツで顔ふくな!
今日着たばっかなのに…
あー…ほら…もぉ…」



「汚れてないもん」



「泣いた理由
①オレに会えたから
②フラれたから
③お腹が空いたから」



「③」



「やっぱ泣いてんじゃん!
オレんち今日カレーだったわ」



「私の家は?」



「知らねー」



泣いた理由は

たぶん

①と②だった



「碧くん、手繋いでよ!」



「ヤダね
泣き虫が伝染る」



「もぉ泣かないから…」



溢れてくる涙を必死で堪えた



「碧くんキャリーケース重い」



「仕方ない」



碧くんはキャリーケースを引いてくれた


反対の手で私の手を繋いでくれた



「こんなに重いのオレのお土産のせい?」



「うん」



碧くんは

きっと

泣いてた理由知ってたよね



碧くん

私、フラれちゃったよ



だから

手繋いでくれたんでしょ



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