社会不適合者
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『ねぇ、花奏ちゃん。これから時間ある?』

「………うん…。」

『本当?よかったら一緒に遊ばない?今から!』

「えっ…………?」

『確かこの図書館の裏に雑貨屋さんあったよね…!…どうかな、見に行ってみない?』

「………いいよ…。」

『!…本当?ありがとう花奏ちゃん!…じゃあ早速行ってみようか!…えへへっ、楽しみだな〜!』

里桜ちゃんは出会ったばかりの私に、遊びへ誘ってくれた。

_出会ったばかりで。_

『あっ!見て花奏ちゃん!このボールペン…凄く可愛いね!』

「……本当だ…。」

花柄のボールペン。

『………ねぇ、これ。お揃いにしない?』

「えっ…?」

『可愛いよね〜。私達って学校違うから、お互い学校にこれ持っていってたら離れてても繋がってるみたいでなんか凄く素敵!』

「……。」

『どうかな?花奏ちゃん!』

「……里桜ちゃんが…よければ……いいよ。」

『本当?!やった!お揃いだね!これで私達、離れてても“友達”だよ!』

里桜ちゃんはピンクの花柄、私は黄色の花柄。色違いの、お揃い。

『よかった〜、買えたね!』

「うん…。」

『あっ、そうだ花奏ちゃん。スマホある?』

「…?……あるよ。」

『LINE教え合おうよ!…いいかな?』

「うん…いいよ。」


『…………はいっ!これで繋がったね。今日は本当にありがとう!また明日会えるかな?』

「うん、大丈夫…だよ。」

『本当に?…じゃあまた後でLINEする!今日は本当にありがとう、花奏ちゃん!またね!』

「………うんっ!…またね、里桜ちゃん。」

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この日、私は突然の出会いと今まで体験したことのない“初めて”をたくさん知った。

純粋に…とても楽しかった。
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