独身狂騒曲


「私今日休みだけど、マサムネは?」
「あー……休み」
「じゃあ、ゆっくりできるね」


 蓋を閉めたペットボトルをテーブルの上に置いて、私もまた寝転んだ。あー、もう起き上がりたくない。

 テーブルの上に置かれたスマホに手を伸ばし、電源ボタンに触れる。……げ、充電がない。


「マサムネー、充電器取って」
「ん」
「さんきゅー」


 充電を繋げて、しばらく待ってから電源を付けた。チャットに届いたメッセージを確認し、急ぎのものだけ返事をしていく。


「うわー」
「ん?」
「高校の時の元カレがさ、結婚したんだってー」


 それは、高校二年の時にクラスで作ったグループチャットに報告されていた。招待状を送りたいから、住所を教えて欲しいと。


「えー、いいないいないいなー!私も結婚したい!その前に彼氏欲しい!」


 スマホを手にしたまま、ぱたぱたと両足を交互に曲げる。

 結婚。結婚かぁ。私達ももうそういう歳なんだよなぁ。いいなぁ。


「マサムネー、いい男いないの。紹介してよ」
「じゃあ珠樹もいい女紹介しろよ」
「合コンでもする?」
「する」
「よしきた!」

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