独身狂騒曲
2
それは、合コン前日の夜のこと。
仕事が終わって家に帰り、明日の合コンに備えて、隅から隅までお風呂で汚れを落とし、冷蔵庫でキンキンに冷したシートマスクで毛穴を引き締め、トリートメントを髪に馴染ませ、ボディークリームを塗りながら念入りにマッサージをしていた。
きっちり15分、シートマスクを外して保湿クリームを塗り、常温のお水をコップ一杯飲む。と、突然鳴ったインターフォンに、こんな時間に誰だろう、とコップを流しに置いて、インターフォンの画面を覗く。
そこに映る姿に、思わずえっ、と声を漏らした。
「お姉ちゃん!?」
白やピンク、黄色のの小花柄が散りばめられた目が覚めるようなターコイズブルーの、ふんわりと裾が広がるワンピースに、指先まですっぽり覆うような薄手のグレージュのカーディガン。
マロンブラウンの髪を前に垂らし、キャラメルブラウンのフレームに真っ黒なレンズが嵌ったサングラスをカチューシャのように額の上に押し上げたお姉ちゃんが、そこに居た。