貴方なんて許せる訳がない
踏み込む
冨川さんが着いたと電話をくれて降りて行くと、丁度そこに瑛のご両親もタクシーで到着した。
「冨川と申します。日高とは同じ会社の同期になります」
「日高です。この度はご迷惑をお掛けして……」
お義父さんにこんな思いをさせて申し訳なくて……。
「いいえ。さあ、乗ってください。狭くて申し訳ありません」
「とんでもない。こんな事に巻き込んでしまって、こちらこそ申し訳ありません」
「いいえ。たまたま私の姪が相手の美容室に勤めてまして、それで今日の事を知ったんです」
「そうですか」
冨川さんの車に乗ってからは話す事もなく、それぞれが色々な事を考え無言のままナビが教える温泉宿に到着した。
「フロントに行ってチェックインしているかどうか聴いてきます」
冨川さんはそう言って旅館に入って行った。
「瑠美ちゃん。大丈夫?」
お義母さんが心配そうに聴いてくれる。
「はい。お義父さんとお義母さんが居てくださって心強いです」
本当にいつも良くしていただいて、私を実の娘のように可愛がってくださる日高のご両親には心から感謝している。
「本当にごめんなさいね。瑛はどうしようもないクズだわ。私ももう息子だと思いたくもない……」
怒りを心の中に押し込めて悲しげな顔をして話す義母……。
「お義母さん……」
実の息子に対してここまで言わせてしまって……。
冨川さんが戻って来た。
「チェックインはまだのようです。なかなか教えてくれなくて、すみません。お父さんが急病だと言って教えて貰いました」
「とんでもない。それで私達に連絡も寄越さないようなら親子の縁も切るつもりですから」
「お義父さん……」
「冨川と申します。日高とは同じ会社の同期になります」
「日高です。この度はご迷惑をお掛けして……」
お義父さんにこんな思いをさせて申し訳なくて……。
「いいえ。さあ、乗ってください。狭くて申し訳ありません」
「とんでもない。こんな事に巻き込んでしまって、こちらこそ申し訳ありません」
「いいえ。たまたま私の姪が相手の美容室に勤めてまして、それで今日の事を知ったんです」
「そうですか」
冨川さんの車に乗ってからは話す事もなく、それぞれが色々な事を考え無言のままナビが教える温泉宿に到着した。
「フロントに行ってチェックインしているかどうか聴いてきます」
冨川さんはそう言って旅館に入って行った。
「瑠美ちゃん。大丈夫?」
お義母さんが心配そうに聴いてくれる。
「はい。お義父さんとお義母さんが居てくださって心強いです」
本当にいつも良くしていただいて、私を実の娘のように可愛がってくださる日高のご両親には心から感謝している。
「本当にごめんなさいね。瑛はどうしようもないクズだわ。私ももう息子だと思いたくもない……」
怒りを心の中に押し込めて悲しげな顔をして話す義母……。
「お義母さん……」
実の息子に対してここまで言わせてしまって……。
冨川さんが戻って来た。
「チェックインはまだのようです。なかなか教えてくれなくて、すみません。お父さんが急病だと言って教えて貰いました」
「とんでもない。それで私達に連絡も寄越さないようなら親子の縁も切るつもりですから」
「お義父さん……」