貴方なんて許せる訳がない

　車の中で四人で待っていた。
　これから何が起きるのか想像もつかない。

「あの車……」

「はい。家の車です……」
家の車で二人で会っていたんだ。あの助手席は私の為の物じゃなかったって事……。

「私が行って来るわ」
お義母さんが車を降りて二人に近付く。

「えっ?　どうしたの?　こんな所で……」
瑛が驚いている。

「あなたこそ、何をしていたの?　そちらの方はどなたかしら?」

「あぁ、えっと、それは……」

「何?　瑛、こんなお婆さんとも付き合ってたの?」

「瑛の母です。息子が大変お世話になっているようで……」

「えっ?　えっと……」

「お名前は?」

「上村 寿美(かみむら ひさみ)です……」

「瑛とはどういうご関係でしょうか?」

「そ、それは……」

「母さん、止めてくれよ」

　私達も車を降りる。一歩ずつ三人に近付く。

「瑠美……」

「有給休暇を取っていたなんて聴いていませんでしたけど」

「瑛。もう全てバレてるんだよ。観念しなさい」

「父さん……」