ツイてない!!〜But,I'm lucky to have you〜
エントランスはやけにざわついていた。

「何かしら?どうしたの?」

人だかりの端にいた職員に、花音が尋ねた。

「女の子が急に倒れて。今、たまたま通りかかった先生が来てくださって」

なるほど、人だかりの先に白衣を着た医師が見える。

「あら、冬輝先生だ」

医師の姿に花音がつぶやく。
…よりにもよってあいつかよ。あいつの姿なんて見たくない。さっさと琴羽ちゃんに合流しよう。

「じゃ、花音、僕、行く」
「あぁ、よろしくね、孝弘」

自動ドアに向かおうとした、その時だった。

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