ツイてない!!〜But,I'm lucky to have you〜
「水上先生、代わります!」
「え!二葉先生?今日休みを取らなかったのかい?」
「はい。それより状況を…」

聞こえた会話に足を止めた。

二葉先生…?それにあの声?

僕は慌てて現場に目線を戻した。

やっぱり、マナ…!?

ストレッチャーに乗せられた患者に寄り添うその姿は、間違いなくマナだった。
白衣をまとった姿は初めて見る。かっこいいじゃないか。
でも、気になるのは頬。白いガーゼが痛々しい。怪我でもしたのだろうか。よく見れば右手にも包帯をしている。



「あ、花音さん。そっちは孝弘君?久しぶりだね」

マナが患者を連れて行って、手の空いた水上医師がこっちに気づいて声をかけてきた。

「冬輝先生、当直お疲れさまでした。今の患者さんは?」
「あぁ、大丈夫。小児科の患者で定期的に通ってるみたいでね。二葉先生が主治医だって。
というか、花音さん、二葉先生休ませてあげなかったんですか?」
「…二葉先生は仕事していたほうがいいと思って。火事の後始末は琴羽と孝弘で、しっかり収められるしね。適材適所を考慮したの。
小児科は今、特に激務だし」
「…相変わらず合理主義だなぁ。まぁ、正解かもしれないけど。今の患者にとっては今日二葉先生がいてよかっただろうし」



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