ツイてない!!〜But,I'm lucky to have you〜
二人の会話で、すべて察した。
偶然にもほどがある。
おそらく、火事にあったスタッフとはマナだ。僕はこれからマナに代わって、火事についての交渉をするのだろう。
ということは、マナが僕のマンションの部屋に仮住まいをしているのか?


これは、花音が仕組んだのか?いや、花音にはマナのことは一切話をしていない。
じゃあ、マナを気に入ってるという琴羽ちゃんの仕業か?いや、琴羽ちゃんだって、マナと僕のことなんて知る由もないだろう。

「今の小児科医、二葉先生が火事に遭われたの。よろしくね、孝弘」

そう言った花音を観察する。やはり、マナのことに気づいた様子ではない。もし知っていたら、もっと楽しそうに目を輝かせる奴だ。花音が悪だくみをするときの微妙な瞳の輝きは、僕は嫌というほど知っている。
じゃ、やっぱり琴羽ちゃんなのか?

「あの先生を、琴羽ちゃんが気に入っているんだ?」
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