ツイてない!!〜But,I'm lucky to have you〜
「花音、彼女に会わせて。話が聞きたい。琴羽ちゃんと合流する前に確認しておきたいこともあるし」
「そうよね、琴羽の指示だけよりは、やっぱり本人に話を聞かなきゃね。わかった」

花音の反応に確信する。
やっぱり、ただの偶然だったのか。それなら、僕はなんてツイてるんだろう!!
マナにまた会える。先ほどの白衣姿を思い出す。
そうだ、マナの頬と手の怪我は大丈夫なんだろうか。

「花音。彼女、怪我してるみたいだったけど、あれは火事のせい?」

「あぁ。火傷している。軽症とはいえ甘く見ないように。跡が残るからね。まぁ、長野がキチンと治療しているとは思うけど、二葉先生に大事にするように伝えて。じゃ、俺はこれで」

水上、だからお前には聞いてないって言うのに。それに、長野って誰だ?


「冬輝先生、今日は琴羽、早めに帰します。孝弘が日本にいる間ぐらい、家族といる時間増やしてあげなきゃね。なんなら、もう一人子供作って下さいな」

「勘弁してよ、花音さん。うちの母さんが悲鳴あげてるよ、腕白小僧二人の世話だけでも大変なんだから。
琴羽には、納得するまで仕事させてやって下さい。では失礼します」

花音は笑って、奴に手を振る。
あー気に入らない。

「冬輝先生は、ほんと、琴羽に甘いんだから」
「お前もな、花音」
「私は、こき使うだけよ。さ、孝弘、行こう。小児科、案内する」





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