ツイてない！！〜But,I'm lucky to have you〜

出来すぎな再会

※※※


エントランスで倒れた里奈ちゃん、診察の時はいつもと変わらない様子だった。聞けば、採血をした後、移動中に倒れたという。


「あのね、今日は男の看護師さんだったの。体おっきくてクマさんみたいな。それで、里奈、怖いなぁって思ったの。採血の注射もいつもよりすごく痛かった」


あぁ。それだ。いつも以上に緊張して失神を起こしたんだろう。念のため、検査をしたけれど、異常はなかった。よかった。
里奈ちゃんは無事回復し、お母さんと一緒に帰った。


「里奈ちゃんには、なるべく同じ看護師がついた方がいいかもな。あの子、採血の後に倒れたのはこれで二回目だ」

私が医局に戻ると、長野先生が電子カルテを見ながら言った。

「そうですね。採血の後もしばらく休ませておくようにします」

カルテにその旨注意書きを添えていると。


「あ、二葉先生！よかった、こちらにいらした」

慌ただしくやってきたのは、事務部長だ。
火事の件かな？

「実は昨日の件で、うちの弁護士にも動いてもらうことにしたの。お話を聞かせてもらいたいんだけど、時間ある？」

「あ、はい」

やっぱりだ。そう思って立ち上がった、その時。
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