ツイてない!!〜But,I'm lucky to have you〜
「事務部長。ご心配いただきありがとうございます。
でも、事務部長は私をこの病院に必要な『医師』だと認めて下さったから、お忙しい秘書の琴羽さんの手を煩わせてまで、今日、私をここに残したんですよね?
自分のトラブルなんて、患者の苦しみに比べたら些末なものです。どいて下さい!!」

噛み付くような勢いで言ってしまった。
一瞬、医局が凍りついたようにシンとなる。無敵の『一条』事務部長にこんな口の聞き方をする者は、この病院にはいない。

事務部長の顔は無表情だ。怒ってる?呆れてる?

だけど、こうしている間も凛ちゃんは苦しんでる。私は、行かなくちゃ。


凍りついた空気を振り切るように歩き出そうとした時だ。


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