ツイてない!!〜But,I'm lucky to have you〜
思い出すなぁ。あれはちょうど中学受験の直前だった。
初めて救急車で運ばれて、痛みとショックでパニックになった。

そんな私に、担当をしてくれた医師が言ってくれたんだ。

「真菜さん。
交通事故に遭って亡くなる人もたくさんいる。
君には未来が待っている。それは、運が良かったと思っていいよ。だから、大丈夫。
指先で鉛筆を持つことはできる。学校側に事情を話して、便宜を図ってもらってもいい。もし、学校側が嫌がるなら、学生の事情さえ理解できない学校なんてこちらから願い下げ。
特殊な状況だからこそ、見えてくるものもある。
だからどんな困難な時でも、前を向いて。
君は何も諦める必要はない。ただ、努力はするんだよ」



どんなにツイてない状況でも、努力を忘れず前向きに考えていれば、きっと道は開ける。
目の前がサッと開けた気がした。先生の言葉で、私は顔をあげることができた。
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