ツイてない!!〜But,I'm lucky to have you〜
「今回は10日間ほど日本にいるつもりなんだ。その間に、これからのマナの生活に必要なものがあれば僕と一緒に買いに行こう」

「生活必需品かぁ。それよりまず住むところ探さないと」

私の言葉に、孝弘さんは不思議そうに首をかしげた。

「どうして?ここにずっといてよ。一緒に暮らそ?
偶然とはいえ、マナがこの部屋にいてくれて、僕はめちゃくちゃツイてるって思ってる。
…マナ。会いたかったよ」


一緒に暮らす?孝弘さんと?
会いたかった?私に?
私は、メッセージの返信すら面倒くさいなんて思ってしまっていたのに。
会いたかったなんて言われたら、申し訳ない。

でも。

今こうして手の届くところに孝弘さんがいる。
火事で住むところを失った私にとって、なんて心強い味方だろう。

仕事に没頭することで意識してなかったけど、やっぱりずっと気を張っていたみたい。
孝弘さんの持つ、穏やかな空気。同じ空間に居られるだけで、なんだか、落ち着く。


そのことがなんだか幸せで。ぎゅっと抱きしめて欲しいと思った。
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