ツイてない!!〜But,I'm lucky to have you〜
私は陽翔くんと晃翔くんの笑顔を思い浮かべる。あれは愛情たっぷりに育てられているとしか思えない笑顔。琴羽さんが、“一条”の家のために義務で産んで育ててるなんて、思えない。

さっきの様子からしても、水上先生と琴羽さんは信頼しあっている。そこに愛情もあるようにも見えたけど。

全て“一条”の為なの?

でも、子供達からお母さんの話はほとんど聞かない。だからこそ、私も気になっていたんだ。

あぁ、私の中の価値観と当てはまらない事実にモヤモヤする。



花音さんは、テーブルの上の写真をふと見た。

「おばさまったら、やっぱりすごいわ。二葉先生を立派なお医者様にしてくださった。久しぶりに琴羽を泣かせるくらい喜ばせてくださった。
…私も頑張らないと。ね?孝弘」

「花音は充分頑張ってるさ」

花音さんはうれしそうに目を細めて、部屋を出て行った。


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