ツイてない！！〜But,I'm lucky to have you〜
「同じ後悔はしてはいけない。孝弘、自分のすべきことわかってるよね？」

その写真をふっと覗き込んだ花音は、諭すように僕に言った。
花音は、すべてを知っている。


僕は琴羽ちゃんが一番弱っているとき、僕に救いを求めてくれるのを待っていた。
待っている間に琴羽ちゃんは一人で立ち上がって、自分で道を切り開いて歩いて行ってしまった。
そして琴羽ちゃんの選んだ道の先に、僕の居場所はなかった。

琴羽ちゃんが選んだのは、常にそばに寄り添い献身的に支えてきた水上だった。あいつは、琴羽ちゃんが望んだ時に、その望みを必ず叶えた。
琴羽ちゃんが花音を陰で支えるように、水上は琴羽ちゃんを陰で支え続けている。


どれほど、後悔しただろう。
僕は自分から手を差し出すことができなかった。

あの時、僕はまだ８歳。子供だった。
でもそれから、幾度もチャンスはあったはずなのに、プライドとか、恥ずかしさとかつまらない意地を張っていたんだと思う。ただバカみたいに初恋をどんどんこじらせていただけだった。

もう、同じことを繰り返したりしない。

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