ツイてない!!〜But,I'm lucky to have you〜
「花音と大河は、この隣の部屋に住んでるんだ」

孝弘さんはさらりと言うけど。
え、花音さんと久我大河が同棲ってすごくない?

「あ、真菜ちゃん、誤解しないで?
もちろん、寝室は別だよ。花音が一条の家を出て一人暮らしする条件として、俺と孝弘が隣に住むことになっただけ。あいつの身辺、本当に物騒だから」

「僕と同じように隣の部屋を用意されたはずなのに、壁ぶちぬいて広い部屋にして一緒に住み始めたくせに」

「三人で一緒でもよかったのにさぁ。花音、一人にさせられないじゃん。あいつが五体満足で生きてるのは、俺のおかげだよ?ま、そんなこと言っても、真菜ちゃんにはわからないよね。
あ、もう、こんな時間か。
俺、そろそろ戻るわ。台本覚えないといけないし。孝弘も真菜ちゃんと二人っきりになりたいだろ?
真菜ちゃん、孝弘で物足りなかったらいつでも俺を呼んで?」

最後まで孝弘さんをからかって、まるで嵐のように大河さんは帰っていった。

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