ツイてない!!〜But,I'm lucky to have you〜
「昔からガキ大将の大河にとって、僕はおもちゃみたいなもの。からかって、いじめて楽しんでる。ひどいだろ?
でも、悪い奴じゃない。僕のピンチにもすぐに駆けつけて守ってくれるんだ」

そう言って、笑う孝弘さん。
大河さんと孝弘さんは、肉食系と草食系、ライオンとうさぎのような真逆のタイプ。それでもその顔には大河さんが好きだって描いてある。

「それに、なんだかんだ言って、大河は花音が一番大事なんだ。寝室は別なんて、嘘。
あいつ今、芸能界の仕事順調でしょ?それでもさ、大河自身はそれほど芸能界には執着がないんだ」

「事務部長…花音さんと付き合ってるってこと?」

「花音は昔っからその辺よくわからないんだよ。もう、女性としての域を超越してるというか。
あいつに『好き』って感情あるのかもわからない。
花音も琴羽ちゃんも、生まれたその瞬間から『一条』を背負ってる。女であることは圧倒的に不利で、だからこそ普通の何倍もの努力をしてる。僕と大河は子供の時からそんな二人を少しでも支えていきたいって思ってるんだ」

なんか、もう、かなわない。
孝弘さんにとって、琴羽さんと花音さんは特別過ぎる存在で。私なんて、とても同じ土俵に立てやしない。


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