ツイてない!!〜But,I'm lucky to have you〜
「孝弘さん」
「ん?」
私を見る孝弘さんは、ハワイで見たあの孝弘さんと変わらない。燃え上がった情熱に任せて肌を重ねたあの時の彼と、変わらない。
これほど目を輝かせ、褒めちぎるところをみると、孝弘さんの理想の女性は琴羽さんなんだろう。パーフェクトな女性が好きなんだ、きっと。
逆立ちしたって私は、琴羽さんのような女性にはなれない。
ーーなんか、面白くない。
胸に何か黒いものが渦巻いていく感じがする。
「私は、花音さんや大河さんのような才能もない。琴羽さんのように何でもできるわけでもない。
私には、あなたの生きる世界はまぶしすぎる。
好きだけど、一緒にいると苦しい。
同じ世界で生きて行けるなんて思えない」
好きな人にこんなことを言ったら、ふられてしまうかもしれない。でもこれは私の本心。
胸に渦巻く黒いもの。恐らくは嫉妬という名の負の感情が抑えられない。