ツイてない！！〜But,I'm lucky to have you〜

「花音や琴羽ちゃんの生き方を理解できない？」

孝弘さんの表情が強張る。大事な人たちを否定されて、気分を害しているんだろう。
でも、私の中に渦巻いた黒い感情がもう抑えられない。

どんなに困難な時でも前を向く。そんな信条に今は反しているって分かっている。それでも、抑えられない。

「とても冷酷だと思う。『一条』の都合だけで子供を産むなんて。子供たちにとって両親って一番大切なのに、『一条』の都合で養子に出されるかもしれない。愛されて大切にされてるとは思えないわ。
巻きこまれた水上先生だって可哀想。琴羽さんは、非情な人なのね」

「琴羽ちゃんを誤解しないでほしい。
確かに、人としての感情を切り捨てて、理性や論理に基づいて行動している合理主義者みたいにみえるけど、子供たちへの愛情は沢山あるよ。そうじゃなきゃ子供らがあんなにスクスクと育つわけない。
それに、マナは見たでしょ？琴羽ちゃんがあの写真を見て、泣き崩れたところ。
本当は情の厚い人なんだ」

あぁ、イライラする。孝弘さん、琴羽さんのこととなるとムキになって弁護する。
好き以外考えられない。