ツイてない!!〜But,I'm lucky to have you〜
「それに、周囲の人間のスペックだとか僕の置かれた環境なんてそんなもの、僕の生まれた家に付随しているだけで、僕自身で勝ち取ったものじゃない。
どうしたのさ、マナらしくない。
あ…もしかして、大河を見たら気持ちが揺らいだ?
やっぱり、僕なんかより大河のほうがいい?かっこいいし、人当たりもいいし」

孝弘さんの表情が変わる。まるで、苦虫を噛み潰したように顔をゆがませた。

大河さん?それこそ、どうして急に大河さんが出てくるのだろう。

「昔っからそう。女の子はみんな大河が好きになる。学生の頃は大河に近づくために、女の子によく利用されたよ」

「何言ってるの?大河さんは関係ない。確かに三人目の幼なじみって知って驚いたけど」

「そうかな。
だから大河に会わせたくなかったんだよ。言っとくけど、大河は花音のものだからね。
大河は、花音の言いなり」

「それは、孝弘さんもでしょ?花音さんの言いなり」
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