ツイてない!!〜But,I'm lucky to have you〜
「だって彼は、琴羽さんが好きなんでしょう?」
「…孝弘が言ったのか?」
「いえ。ずっと気になっていたんです。昨夜話をしていて、確信に変わった。琴羽さんが理想なら私なんて足元にも及ばない。
あなた方とは住む世界が違う。
私も医師として、自分の時間のすべてをその仕事に捧げてる。
私に彼のための時間はない」
威圧的に私を見下ろす大河さんに、物怖じせず答えた。
「…おんなじこというんだな。花音も琴羽も、自分たちの人生は『一条』の為のもので、俺たちに費やす為の時間はないって言う。
そんなの、いいのに。俺たちのことなんて、特別に考えなくていい。ただ必要としてくれるだけでいい。心が折れそうなときには寄りかかってほしい。寒いときには抱きしめてあげる。必要な時に、いつでもこの手を差し伸べられるところにいたいだけ」
どうして?どうしてそんな寂しそうな顔をするの?整いすぎたその顔に、深く刻まれた影。
コツン、と大河さんは私の肩に頭を乗せた。
「だから、離れていかないでくれよ。たぶん孝弘にとって、君は…」
「…孝弘が言ったのか?」
「いえ。ずっと気になっていたんです。昨夜話をしていて、確信に変わった。琴羽さんが理想なら私なんて足元にも及ばない。
あなた方とは住む世界が違う。
私も医師として、自分の時間のすべてをその仕事に捧げてる。
私に彼のための時間はない」
威圧的に私を見下ろす大河さんに、物怖じせず答えた。
「…おんなじこというんだな。花音も琴羽も、自分たちの人生は『一条』の為のもので、俺たちに費やす為の時間はないって言う。
そんなの、いいのに。俺たちのことなんて、特別に考えなくていい。ただ必要としてくれるだけでいい。心が折れそうなときには寄りかかってほしい。寒いときには抱きしめてあげる。必要な時に、いつでもこの手を差し伸べられるところにいたいだけ」
どうして?どうしてそんな寂しそうな顔をするの?整いすぎたその顔に、深く刻まれた影。
コツン、と大河さんは私の肩に頭を乗せた。
「だから、離れていかないでくれよ。たぶん孝弘にとって、君は…」