ツイてない!!〜But,I'm lucky to have you〜
「…二葉、何してるんだ?」

そこへ現れたのは長野先生だった。

「長野先生!」

びっくりして私は大河さんを突き飛ばす。だけど、ボディーガードを務めるほど体を鍛えた彼から離れることは容易じゃない。

「あぁ。真菜ちゃんに気がある医者がいるって、琴羽が言ってたな」

琴羽さん、そんなことまで言っちゃったの!?
何故か大河さんはさらに私をグッと抱き寄せ、離してくれない。それを見た長野先生の眉間に、深いシワが刻まれた。

「この人、誰?二葉のカレシ?」
「と、とんでもない!」

「カレシ候補。今、口説いてる真っ最中」

大河さんは、長野先生に挑戦的に言った。
サングラスのせいで長野先生からは見えないけど、抱き寄せられた私からは見える。
めちゃくちゃ楽しそうに輝かせた目が。

「二葉を口説く?ムダなことを。彼女は簡単には、なびかないよ。俺が散々アプローチかけてきたっていうのに、気づきもしない奴だ」

長野先生も、負けてない。
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