ツイてない!!〜But,I'm lucky to have you〜
「真菜ちゃん、この医者に誘われてたの?」
私は首をブンブンと横に振った。
「そんなことない!長野先生とは、先輩後輩の間柄だし」
それだけのはず。
「二人きりになるようにシフト調整したり、一緒に何度もメシを食いに行ったり、結構わかりやすく口説いてたんだけど、全然気付きもしなかった?」
え、そうだったの?
全然、全く、気づいてなかった!最近、妙に二人きりになると雰囲気が変わり、告白まがいの発言があったりしたけど。
「長野先生優しいから、火事のせいで心配かけてしまったんだと…」
あ、長野先生呆れて大きなため息をついた。
「なるほどね。真菜ちゃんのこと、よくわかったよ。似た者同士というか、ますますアイツにピッタリだ」
大河さんの口元に笑みがにじむ。アイツって、もしかすると孝弘さんのことかな。
もしかして、私が孝弘さんにふさわしい女かどうか、確かめていた?